パリの街角に登場したオーガニック野菜自販機(TABI LABO)
フランスで有機農産物や有機加工食品を意味するBio(ビオ)。自然志向を好むフランス人に人気で、ビオ製品を選ぶ消費者は着実に増えています。こうした食材を、ちょっと遅めの仕事帰りでも、いつでも自由に買いものがしたい。そんな消費者のニーズに応えるように、ここ数年パリ市内に増えつつあるのが「農産物の自動販売機」です。
日本でも、畑の横に野菜の無人販売所や卵の自販機を見かけたことがありますよね。あれがここ数年パリの街角に増えつつあるというのです。 上の写真は、2015年パリ17区にオープンした「Au Bout Du Champ」の2号店。男性が手にしているニンジンのほか、じゃがいも、ルバーブ、レタス、シャンピニオン、さらには卵など、どれもオーガニックなBio食材。自販機にお金を入れ目当てのボックスの番号を入力すればロックが開き、食材が手に入るという仕組み自体は日本のそれと、さほど変わりありません。
それにしても、パリ市内に中小規模の畑ってありましたっけ? Au Bout Du Champによると、これらの農産物はどれもイル・ド・フランスを中心に、パリ近郊100キロ圏内の契約農家から収穫されたもの。スタッフが定期的に農家と店舗を循環しながら、新鮮な野菜を補充するといいます。ちなみに、店名のAu Bout Du Champは、フランス語で「畑の隅っこ」の意。
どこかフランスといえば、「マルシェ(市場)」というイメージがありますよね。パリにも無農薬で作られた野菜を取り揃えるマルシェはいくつかあるようですが、そのほとんどは夕方前には店じまい。つまり、仕事帰りや時間を気にせずオーガニックな野菜を手に入れたいというニーズが少なからずあったことも、この店の人気の理由かもしれません。2016年には、市内にさらに2店舗オープン予定だとか。
野菜スタンドは朝8時から夜10時までの営業で、ネットから予約注文も可能。それでも、昼までには品切れになってしまう人気野菜も多いそうですよ。これまでにも、南フランスでは24時間営業の野菜の自動販売機が設置されてきました。パリでは2011年に試験導入を始めたのをキッカケに、無人販売が徐々に浸透。野菜や農産物以外にも、3分で焼きたてのバゲットが手に入る「パンの自動販売機」なんていう“変わり種”もあるんです。次回、パリを訪れる際はマルシェ巡りならぬ、自販機巡りなんて面白いかも。
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